先人たちの働く姿

 この写真集は昭和7年から8年(おおよそ70年前)に撮影された国道新設工事の記録写真の中から、働く人たちの服装や、工事機械、道具、工法など今では見かけなくなったものもを主に纏めたものです。
 セピヤ色の写真と現在の姿を比較しながらご覧ください。

※ 昭和6年8月、長崎県西彼杵郡多良見村喜々津(現・多良見町)に、内務省九州土木出張所長崎国道改良事務所が設置され、1級国道34号のうち、長崎市から諫早市に至る間の改良工事を着手し、昭和13年に工事が完了しています。
 この写真は国土交通省(旧・建設省)長崎工事事務所庁舎が昭和37年大村市から長崎市へ移転した際、焼却処分される不要書類の中から拾って保管していたものです。
 一個人が書棚に飾っておくのはもったいないので、インターネット上で公開することにしました。
 
 写真枚数が多いため3〜4枚を一組にし、随時連載します。

         なおこの写真の無断転載はお断りします。ご使用の場合にはご連絡ください。

第1回 働く人たちの服装 第2回 人海戦術 第3回 職人さん 第4回 建設機械
第5回 工事の方法 第6回 器具・用具 第7回橋架設(1) 第8回 橋架設(2)

第1回 働く人たちの服装

左端の男性は印ハンテンを着ているようですね。
女性達はタオルで姉さん被り、上着は和服にかすりのハンテン、下はモンペではないでしょうか。
右端の黒い服の人はおまわりさんのように見えますが工事監督さんだと思います。
このころは内務省の役人さんが監督していました。
内務省といえば警察のおまわりさんも内務省の役人さんでしたから、服装は似たようなデザインだったかもしれませんね。


男性の服装は今も昔も変わっていないようです。
帽子は中央の人は鳥打帽、左右の人が被っている帽子はなんというのでしょうか。私には名前が浮かんできません。
足元は脚絆(ゲートル)に地下足袋姿。格好いいですね。昔の兵隊さんを思い出します。
今この姿で働いていたら、労働基準監督署からお目玉ですね。
ヘルメットに安全靴が現在の定番スタイル


ひとり一人の服装が違っています。印ハンテン、上着を脱いでチョッキ姿、背広にネクタイ、とそれぞれに違っています。
足元はゲートルに地下足袋で統一されたいるようです。この作業はコンクリートの練り具合を調べているところです。
コンクリートは水を多く入れて柔らかくすると作業はし易いですが強度が弱くなります。
固く練ると強度は増しますが均したり突いたりするのに力が入ります。
硬さは「スランプ○○センチ」という表現をします。水平定規からコンクリートのてっぺんまでの距離を測って規定の範囲以内かどうかを調べているところです。


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