イタリア旅行記

第6回 ゴミ事情

 人の暮らしにはゴミが必ず発生します。その処理については、それぞれの国によって対応の仕方は
異なるようです。
 ご存知のようにシンガポールは非常に厳しい国といわれています。道にツバや痰を吐いたり、駅の構内、地下鉄やバスの中で飲食をしたり、ゴミのポイ捨てをしたりすると罰金が科せられます。それは外国の観光客であっても特別扱いは無いといわれています。

 それに比べ、イタリアはのんびりとしたところがあるようで、「私ゴミ捨てる人、あなた片付ける人」と割り切った風潮があるように感じました。

路面清掃車(ミラノ・ドゥオモ広場にて)

午前11時ごろ、ドゥオモ広場は観光客と鳩で賑っていた。その合間を縫うようにして広場を清掃をする車。
イタリアでは、ゴミ収集・清掃のための費用は、税金の中から賄われているそうです。それは日本も変わりません。しかし、支払った税金の明細に、きちんと項目が分けられていて、いくらゴミ処理として自分が払ったかは一目瞭然に分かるそうです。。そのゴミ税の課税額は、住居の広さに比例して決められるということです。
だから「私ゴミ捨てる人、あなた片付ける人」と割り切っているのかも知れませんね。
ベローナ・アレーナ広場のゴミ収集ボックス

ゴミボックスは、通常3種類に分別されているそうです。
緑のボックスが普通ゴミ。青が缶、ビン、プラスチック容器。白が紙類と分かれているそうですが、ここにあるのはすべて黒でした。ボックスの横に絵が書いてあるの
で区分はわかります。
ゴミは公共の場に設置されたゴミ箱に毎日捨てに行くので、各家庭でゴミをためておく習慣はないそうです。
ペダルを足で踏んで、ゴミ箱のフタをあけてゴミを入れるので、日本のように、ゴミ収集車が来る前に、カラスや猫にゴミ袋が破られることはないそうです。
水の都、ヴェネツィアのし尿処理

人が排せつする、し尿もゴミの一種に変わりはありません。
車のないヴェネツィアでは、ゴミはもちろん、し尿の持ち出しは船に頼るしかないようです。
早朝に街を歩いていて見かけた風景ですが、し尿処理船からバキュームホースを路地へ延ばしていました。
バキュームホースの行く先は?

二人並んで歩くのがやっとの狭い路地を延々と・・・。
先が見えません。
物好きな私は、終点を確かめたくなりました。
朝食までは充分な時間がある。こんなときは一人歩きは気楽で良いものです。
右に折れ、左に曲がり、辿り着いたところはホテルでした。船から汲み取りの場所まで約300mはあったように感じました。
観光客が押し寄せれば押し寄せるほど、収集の回数は増えることでしょう。
ナポリのゴミ収集ボックス

宿泊したホテルの前の歩道上に3個のボックスが置いてありました。
まだ街が活動する前の早朝の状況ですが、夜のうちに持ってきたゴミでしょうか?
ボックスが満杯なのか、ご覧のとおりです。
ナポリの行政は持っていく所がない、処理出来ないからと収集に来ないこともあるそうです。ときにはゴミが歩道に溢れ、人は通れないこともあると聞きました。
この状態はまだ良いほうかも知れませんね。
ボックスの側面には分別を表す張り紙がしてあるようです。
ナポリの歩道

上の画像のゴミボックスの前後には紙が散乱していました。
昨夜、ホテルに着いたときにはこのゴミはなかったようです。この場所は繁華街から少し外れたところで人出は少ないようでしたが、一晩のうちにこんな状態でした。
ローマ・コロッセオ広場のゴミボックス

これはゴミ収集用のボックスとは違って、小型のゴミポストといった感じです。
タバコの喫煙場所で吸殻を入れるポストではないかと思います。近寄って覗くと中は紙くずが満杯でした。
イタリヤの観光地をあちこちと廻りましたがこのタイプのボックスを見たのは初めてでした。

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