いぶすき菜の花マーチ

14回いぶすき菜の花マーチ

エントリー
     2006・1・28 開聞ステージ 15キロコース
     2006・1・29 指宿ステージ  5キロコース

最近、完歩から観歩へ、またファミリーあるいはグループで楽しく歩く楽歩、とウォーキングのスタイルも少しずつ変わってきている。

今回は、完歩、観歩、樂歩のほかに「聴歩」もと欲張った。
 指宿は、風光明媚なコースである。写真を撮りながら歩こう。そして鹿児島はあの独特な鹿児島弁が聞けるところでもある。その言葉を聴きながら、どっぷりと鹿児島に浸って「聴歩」してみたいと思った。

これらの目的を満たすためには、のんびりと歩くファミリーやお年寄りのグループの中に混じっていなければならない。
 開聞、指宿の両ステージとも最短コースならば「聴歩」の目的が叶えそうだと思った。

まず、開聞ステージは最短コースの15キロにした。
 先頭グループでスタートし、少しずつスピードを緩めながら歩くと次から次へと後の人が追越して行く。後のグループになるにつれ、のんびりとおしゃべりしながらの集団が多くなってきた。

男性一人に女性6人の一団がにぎやかにおしゃべりしながら追い越して行こうとする。この集団に密着することにした。
 思ったとおり、鹿児島弁の連発である。会話の内容は雰囲気から察するしかできないが相槌を打つ「じゃっど」「じゃったど」「じゃっとんよぉ」などは頻繁に出てくる。

男性が「おいはこえをしてくっで」と言ったように聞こえた。集団から離れ、防風林の松林に消えていった。そのあと「おとこしは、よかな、どけでんでくっでぇ」と女性が言った。消えた男性は数分後に集団に戻ってきた。
 やっと言葉が理解できた。「わたしは小便(肥え)をしてくる」「男はいいな。何処ででも用が達せるから」という会話だった・・・と解釈したのだが正解は如何に?

 まぁこんな調子のウォーキングの二日間であった。


前日の27日、休暇村・指宿別館に投泊した。その日のうちに砂風呂にはいる。
もう三十数年前にのことで砂風呂の感触はすっかり忘れていた。体全体にスコップで砂を載せてもらうとずしりと重い。全身が金縛りにあったようで身動きができない。背中、お尻が熱くなり頬かむりした顔から汗が流れる。
10〜15分が最適の時間だと説明板に書いてある。
20分間我慢した。起き上がろうとしたが動けない。
まず両手を出して、次に両膝を折り曲げ、右か左に身体と横にすれば楽に起き上がれると係員が教えてくれた。
言われたとおりにするとかんたんに砂から抜け出した。
28日は開聞ステージで15キロコースは9時半スタートだがここ休暇村からは7時25分にシャトルバスが出る。
朝食は7時から急いで掻き込み、バスが待つ玄関へ出てみると大きな太陽が大隈半島の山の上から顔を出したばかりであった。
会場へは8時15分に到着。23キロコースの人たちを見送る。

写真は、8時半、23キロコースのスタート風景。
開聞岳を背にして会場を出ると左に折れて坂道を下る。
私がエントリーしている15キロはここから右に折れて坂道を登ることになる。
開聞岳は薩摩半島のシンボル。独立峰(924m)で歩いていると左右前後どちらかで山を見ることができる。
折鶴のおじさん
このおじさんは何処の会場へ行ってもよく見かける名物おじさんである。
スタート地点に立って希望者には小さな折鶴をくれる。
特に子供たちに人気があるようだ。
手提げのバッグの中にはたくさんの折鶴が入っていた。
9:30スタートして第一のチェックポイントには10:10に着いた。
ここは花瀬望比公園である。海岸は東シナ海岸に臨み、はるか地平線の彼方にフィリピンを望む地になる。
第二次世界大戦中、フィリピン方面で戦死された47万6千人余の英霊を慰める「慰霊碑」がある。
ここで公園内を散策し、モニュメントなどを見て廻る。
チェックポイントでゆっくりしたために、かなり追い越されていた。それが幸いしたのかもしれない。
鹿児島弁でにぎやかにしゃべる一団がやってきた。
男性一人に女性6人のグループで、捜し求めていた「聴歩」の相手である。約1時間一緒に歩いた。会話の一語一語は理解できないが雰囲気的に会話の内容は判断ができ面白い。何回も声をかけようかと思ったがよそ者が入り込むと純粋な方言にならないから、黙って歩き続けた。
写真はチェックポイントから10分経過した地点でのきれいな海岸線で脇塩屋という地名であった。
海岸線から離れ、北東方向の池田湖に向かって農村地帯を歩く。人の背丈ぐらいに伸びたソラマメ、えんどう豆の畑がつづく。つるの手に掴った豆は整然と並び行儀よく大規模栽培の見事さに見とれながら歩いた。
畑を過ぎ、集落に来ると墓地に来た。
鹿児島は祖先を敬い墓の花は絶やさないと聞いていたがそれを実証してくれる情景である。
枯れてしぼんだ花は見当たらない。
第二チェックポイント開聞観光案内所付近からの景色
蛇足は不要。
ご覧ください。
菜の花畑の中を歩く。
これも下手な説明は不要。ご覧ください。
第二チェックポイント・開聞観光案内所
弁当を予約した人はここで受け取り昼食をする。
お茶と芋あめの接待をうける。
豚汁を渡していたのでこれも接待かと思って手を出すと「これは弁当を注文した人だけ」と断られた。
スタート前に会場で買っていたおにぎりを食べる。
12時40分再びルックを背負ってゴールへ向かう。
ゴールまで「あと4.3キロ」である。
ここから当分の間は菜の花畑の中を気分よく歩いた。
枚聞(ひらきき)神社
ここまで来るとゴールまであと1.5キロ。
街中でスーパーを見つけ脇道にそれた。今夜の晩酌の焼酎を買い込むためである。昨夜の夕食時には宿で注文したが隣の人は持ち込みの酒を飲んでいた。旅慣れした先輩を見習っての準備であった。
鹿児島地方では晩酌のことを「だれやみ」という。
「だれ」とは「疲れる、だれる」、「やみ」は「止める」の意味とか聞いている。まさに今日の疲れをとる「だれやみ」である。
スーパーを出て国道を横断すると踏み切りになる。
そこには「ゴールまであと1キロ」の案内板。
この1キロはゴールまで坂道続きで、2キロにも3キロにも相当する苦難の距離であった。
ゴールは13時半ごろだったろう。時計を見るのを忘れてしまった。
健康ウォークの仲間5人が芝生に座り雑談をしている隣に、若いお嬢さんが3人座って休んでいた。
集合写真を撮ってくれるようお願いしたら快く応じてくれた。3人の集合写真もこちらが撮ってやることになった。
Aさんが3人を写している横で私も自分のカメラに収めた。
ゼッケンには、府県名が「KOJ」町村名が「APO」となっている。
???
尋ねると「鹿児島県」「エアーポート」の意味だという。空港に勤めているお嬢さんたちだった。
私が撮った3人の写真は「ばってん亀」のHPに掲載するからと約束した。
明日の指宿ステージは仕事の都合で参加できないからとドリンクとお菓子の引換券をもらった。
心優しいお嬢さんたちである。ありがとうさん。
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