腹ごしらえした後、駅舎を出ると大きな建て看板が目にはいった。この看板を読んで活火山の怖さを思い知らされる。
 これからいよいよ馬の背を歩くことになる。いまのところ強い風は吹いていないようだ。
 安全をモットーにゆっくり登るとリーダーは説明したから、馬の背歩きは1時間はかかるだろう。怖いのは突風と風による体温の低下だ。
 登山道はかなりの雪のようだだがまだアイゼンをつける指示は出ない。中岳稜展望所までは登山道が舗装されているから必要ないかもしれないが滑りやすく怖い。展望所まで来てアイゼンを着けるよう、声がかかった。
 アイゼンのヒモを締めながら心も引き締めた。

冬の火の山・阿蘇     次 へ