南アルプス紀行
(北岳・間の岳・農鳥岳縦走)
コース地図 |
小太郎尾根に着くと期待とおりの展望が開けた。吹き抜ける風もカラッとして体の汗を拭き取ってくれた。水を得た魚のように元気になった。 ここから北岳肩の小屋まで30分、北岳まではまだ1時間は登らなければならないが、そのことは忘れ目的地に着いたような気分になって、いつまでも眺め写真をとり続けた。
肩の小屋から岩峰を回り込み、あるいは跨いで北岳山頂を目指したが、二俣から尾根に出るまでの苦しい足取りとはまったく異なった。360度の展望に足を止めては見惚れ、爽やかな風に頬をなでられては、元気が出た。
北岳で昼食の握り飯を食べたが、今となってはその様子を思い出せない。 昼の弁当も写真に撮っておくつもりだったがそのことも忘れ、おかずは何であったかも覚えていない。 景色に見惚れ、弁当は無意識のうちに食べてしまっていた。 |