護衛艦・進水式

まずは山国育ちの田舎者は「船は後ろ向きにバックして進水するのか?」と初めてみた進水式にびっくりした。

船マニアのKさんから「進水式を観に来ませんか」というファックスが届いた。

入場チケットが1枚あるから興味があったらどうぞ、とのお誘いである。
 山国育ちで海や船に特別興味があるわけではないが『進水式』という行事に心惹かれた。

古希を過ぎた身、先は長くはない。冥土の土産に観ておくか、と変な好奇心が湧いてきた。早速電話でお願いした。

1週間後の8月30日、8時50分長崎港ターミナルで落ち合った。
 もう何日も暑い日照りつづきだったのに、どうしてか意地悪のように朝から雨模様である。

港ターミナルから約10分で送迎船は対岸の三菱長崎造船所立神岸壁に着く。船賃は無料だが持ち物検査が厳しい。空港の検査ゲート並みである。全身を探知機で捜査、手荷物は中身を開いて提示した。世界のテロ行為が地方の端々まで影響しているようだ。

岸壁に上陸すると、そこは造船所の構内。紅白の幕を張り巡らした道順に従って式典会場へと進んだ。大型船舶の造船所だけあってクレーン、構内の設備、加工中の鋼板も桁違いに大きいものばかりだ。

キョロキョロしながら歩き、カメラを構えると「式典会場の写真撮影はいくらでも結構ですが工場内はご遠慮ください」とガードマンからやんわりと注意された。

受付で入場チケットを提示、半券と引き換えにお茶のペットボトルと記念の絵葉書兼用の説明カード、お祝いの小旗を貰う。実は港ターミナルの持ち物検査で飲み物ペットボトルは持ち込み禁止になっていたから、その代償としてお茶のサービスであろう。

9時30分、進水する新船の両側はすでに傘を差した観客で溢れていた。会場はすでに飾り付けを終わり船主である防衛庁関係者や来賓を待つばかりになっていたが式進行の最後のリハーサルが行われていた。式典は10時30分からだと聞いている。

雨は強くはないが傘なしでは無理である。撮影の場所探しに歩き回った。ふと見あげると仮設の二階式になったトイレがあった。階段を登ると2階の踊り場が会場全体を見下ろせる絶好のポイントである。ここでおおよそ1時間近く傘を差して開会を待った。

式典の様子を写真でお楽しみください。

なお、防衛長官の「命名」、軍艦マーチの演奏、船台を滑る轟音などの音の風景を「くらしの音色」にアップしています。こちらの方へもどうぞお越しください。


送迎船を降りて立神岸壁から式典会場へ進む観客たち
この日の一般観客は1000人ぐらいではなかろうか。(AM9:20ごろ)

式典会場でまず目に入ったのはこの巨体。飾りつけを終わり式典を待つていた。
防衛庁長官から艦名を「命名」されるまでは「護衛艦2318」。
「あしがら」垂れ幕はこの後巻き上げられ、命名を待った。

護衛艦(イージス装置付)の要目は
名称 あしがら  全長 165m   最大幅 21m  深さ 12m  きっ水 6.2m
軸馬力 100,000PS   速力 30ノット   乗員数 約310人

海上自衛隊・音楽隊

式典会場

隊員も勢ぞろい
「あしがら」の竣工は平成20年3月下旬、この隊員たちが
この護衛艦の乗務員になるのだろうか。
雨の中、傘も差さずにご苦労さん。


防衛庁長官入場、式典開始。

これ以後の式典の様子は、録音しています。
ブログでお聴きください。臨場感が伝わってきますよ。

「あしがら」と命名されたあと、いよいよ進水

船台の支柱取り外し

進水開始
軍艦マーチの演奏と共に、クス玉が割れる。



船体が動き出すと船台のキシミと轟音で軍艦マーチの演奏はもちろん
すべての音は轟音に呑み込まれてしまった。
このすごさをブログで感じてください。


汽笛を吹鳴しながら滑って行く


海面に浮いた「あしがら」
これで30分のセレモニーは終わった。


式典の裏方さんもほっと一息

ご苦労さんでした。

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