鯛の鼻展望台から眺めた生月島

生月大橋を渡って再び平戸へ戻る。鯛の鼻自然公園は今日のもう一つの登山予定である安満岳の近くにあり、島では高い位置にある自然公園である。
日曜日だがここまで観光客は来ないのだろうか。中年の男性が一人ゴルフの練習をしているだけで、ひっそりしていた。
われわれ27名が詰め掛け、広い芝生の上ではしゃぎながら昼食をするとゴルフを止めて消えてしまった。
安満岳から眺めた生月島

満腹の腹は登山には邪魔になる。登山口からわずか20分で頂上であった。
安満岳は「やすまんだけ」と読む。誰かが安満岳には休まんで登ろうを言って笑わせた。おなかの具合が落着いたころには山頂に着いてしまった。
平戸と生月島を結ぶ架け橋が綺麗に見えた。
写真の中央に白く縦線上に見えるのが生月大橋。
安満岳を後にして平戸大橋を渡り、九州本土に着くと田平町にある「たびら昆虫自然園」へ直行した。
ここは畑、小川、池、雑木林、草はらなどの里山の環境を再現し、そこに集まる昆虫などの生物を自然のまま観察できる施設である。
ここは昆虫をよそから集めてきて飼育しているのではなく、地元に棲む昆虫を農薬の害から守り、絶滅しつつある昆虫を増やそうとしているところだそうである。

たびら昆虫自然園・昆虫館

4.1haの敷地に昆虫館、草地・裸地ゾーン、池・水際ゾーン、林地ゾーン、畑・花壇ゾーンに分かれている。
3月の時期は、昆虫たちは孵化する準備中で土の中にいるものが多い。
畑・花壇ゾーンにモンシロチョウが飛んでいるのが見えるくらいであった。解説員は冬木にとまったサナギを見つけて説明する。天敵から身を守るために枝に偽装した姿は人間の目にもわからない。
畑では虫に食われたキャベツが植えてあった。
人間の目からすると商品価値のない食用として見向きもしないキャベツである。
解説員によると人間のために植えたのではなく、虫の食べ物だという。葉っぱの裏には青虫がいた。

カスミサンショウオの卵を説明する解説員
畑・花壇ゾーンから池・水際ゾーンに移動する荒地の籔を通り抜けるとき、ここはマムシがいますと解説員が脅した。「梅雨時から秋にかけてのことで今はいませんから大丈夫」と言って笑わせた。
水際に住む昆虫も見かけなかった。
解説員は石をめくりカスミサンショウウオの卵を見せてくれた。オタマジャクシの卵と同じで気持ちが悪い。石の下には黒い針金の曲がりくねったようなものが住んでいた。
解説員が取り上げ、これは「ハリガネムシです」と言った。お腹の大きい蟷螂を潰した時にグニャグニャと出てくる気味の悪いあの回虫だという。子供のころよく見かけたが虫の名前までは知らなかった。
昆虫館は、子供たちを夏休みに連れて来ればきっと喜びそうなところであった。
クワガタ、蝉、トンボなどここにくればなんでも観察できる。また大人にとっても日本の原風景を思うだし子供心に戻るところでもありそうだ。

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