'04登り初め(2)

キャンプ場の朝。

7時に起床、外に出た。
西の空には青く澄み切った空に白い残月が輝いている。
吸う空気が鼻孔に痛い。
二階建てロッジ。

あたり一面霜の世界。
屋根は真っ白。地面には5センチほどの霜柱が立ち、踏みつけるとザクッとと音がする。窓のガラスには室内の蒸気が凍り付いていた。
布団を頭から被り寝ていたのでこの冷え込みも知らずにぐっすり眠っていた。

荷物をバスに運び、昨夜バスに置いていた行動食のバナナや水をザックに入れようとしたらペットボトルの水もバナナも凍っていた。こんなことは初めての経験である。
ヒゴタイキャンプ村から八丁原登山口まで時間にして20分である。

登山口から見あげる一目山。
枯野と澄み切った青空のコントラストのすばらしさをご覧ください。

枯草の下はクロボク、その上には針のように立った霜柱。サック、ザックと踏みしめて登る気分は最高だ。

前屈みになって登る姿勢に腹が邪魔になるのは昨夜のご馳走の食べすぎか。
途中で一息入れる。
振り返ると登山口は小さく見える。
白い湯煙は八丁原地熱発電所の蒸気。
遠望の山なみは、扇ガ鼻や星生山などの山々。

一目山からの雄大な阿蘇五岳
一目山から眺めた涌蓋山(1499m)。

いつの日か登りたいと思いつづけている山である。数時間、時間を延長すれば思いを叶えるが団体行動ではままにならない。またの機会を待とう。
この後下山して筋湯温泉のうたせ湯が待っている。
みそこぶし山(1296m)

おもしろい名前の山である。どう言うイワレがあるのだろうか。
みそこし山の方が覚えやすい。
ここの辺りの山は島根県の三瓶山によく似ている。
みそこぶし山からの眺め。
遠望の左から久住・三俣山、中央は中岳、右は扇ガ鼻。中間の山は黒岩山。

湯煙は八丁原地熱発電所。左の集落は筋湯温泉。
きょうの縦走コースの終点は「ひぜんの湯登山口」。
みそこぶし山からひぜんの湯まで約一時間で下山できる。あとは下り勾配だが日中になり気温が上がり霜融けのクロボクの路は滑りやすく苦労した。
湧蓋山登山口(ひぜんの湯コース)。

意外だった。
涌蓋山登山口(みそこぶし山も登山口は同じ)の案内板は二階建ての民家のど真ん中に玄関の表札のように掲げてあった。そこは半間の土間通路になっている。
通路には正月の注連飾りがまだ飾ってあった。
手前の池には岩柱に絡まる昇竜が威圧している。
下山したとき12時20分。昼食は後回しで、まずは筋湯名物の『うたせ大浴場』へ。

ここは無人の公衆浴場である。入浴料は300円でコインを購入する。コインをゲートに入れると回転式の横棒が内側に廻り入場できる。
脱衣所は狭く混雑する。
衣類は100円のローッカーだけで無料の脱衣かごは置いていない。
入浴後13時30分帰路に着く。
昼食はバスの中で各自持ってきた行動食を食べる。

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