山行名 猪見岳・大山里山歩き 山行日 2003・2・26 くもり 場 所 長崎県西彼杵郡多良見町・長与町境 名は体を現す、というが『猪見岳(ししみだけ)』もそういう感じの山だった。 西諫早駅前に集まってミーチングを始めたころから雨が落ちてきた。天気予報より3時間も早い雨の降りだしに気勢をそがれた。空模様からして,たいした降りにはならないようではある。 喜々津から大草を通り、伊木力川を渡ると川沿いに松ノ頭峠までは曲がりくねった舗装道路の登りになる。ここの辺りは「伊木力みかん」で有名なミカンの産地である。 峠で左折し、狭い農道を1kmほど走った所で車を停めた。この道は、山腹を切り開いて造ったみんなミカン畑のための道のようである。 歩き出してからも舗装した農道は山の中腹まで続いていた。所々でミカンの木の剪定をしている農家の人に出会った。挨拶をして通り過ぎる。
歩き出して30分、やっと落ち葉でフカフカの山道になった。杉や檜の林は山頂近くになって雑木林に変わった。歩き始めてちょうど1時間で目標の猪見岳に着いた。 山頂は樹木に覆われてまったく視界は効かない。三角点は落ち葉が積もり地面と同じ高さまで埋まっている。そこには新しい「猪見岳(364m)」の標識が建てあった。裏には建立者「あゆみ」の名が印してある。どこの山岳会もただ登るだけではなく、ボランテア活動もしているなぁと感心した。
猪見岳に着いたとき薄日が差し、雨の心配はもうなくなっていた。出発前のミーチングでは、天気次第で猪見岳から引き帰す予定であったが大山まで縦走することにした。 大山までは目印のテープが随所に巻いてあり、また踏み跡もはっきりしており、安心して歩けるルートだった。大山も猪見岳と同じで視界は効かない山頂であった。「あゆみ」の皆さんが建てた「大山(403m)」の標識がここにもあった。 12時少し前で昼食にちょうどよい時間。ここで弁当を食べる。再び猪見岳に向って引き帰し、猪見岳からは登りとは別ルートで車を置いているところまで帰った。
デジカメの電池切れで、帰りに写真を撮るつもりであったが予定は狂ってしまった。 縦走したコースは、いたるところに猪が掘り返した跡があった。木の根っこや地中に潜り込んだ虫など餌を探したあとだろう。Kさんから教えてもらった「猪の糞」が数箇所で見つかった。野生の猪の糞に出会ったのははじめてである。 黄色で水分が多い糞は、人間が腹をこわして下痢したときのものによく似ていた。たぶんこの猪も下痢をしていたのかもしれない。 猪に出会いこそしなかったが「猪見岳」の命名が何となく理解できるような雰囲気の山であった。 |